健康を守る家とは

いい家づくりとは外から見えない壁の中の材料や施工にもこだわった家づくり。

家が原因で病気になるなどあってはならない。

しかし、寒さや温度差、カビが原因で健康が害されているという事実がある。

目に見えないところこそ手を抜かずに居住者の健康を守る施工が必要である。

 

 

健康を守るための家

 

健康を保つためには、優れた家の存在が欠かせません。

しかし、時として家は健康を損なう原因にもなりえます。

本来、人生の大半の時間を過ごす「家」が家族の健康を奪うものであってはいけません。

 

家が原因となる健康被害は「寒さ」や「温度差」を中心に、「乾燥」や「カビ・ダニ」、家づくりに使われる「化学物質(ハウスシックの原因)」、外気から侵入する「PM2.5」など多岐に渡って引き起こされます。

残念ながら、建築に関わる人間でもその全てを正しく説明できる人は非常に少ないのが現実です。

 

 

冷えは万病の元

 

昔から「冷えは万病の元」と言われるように、「冷え」により様々な病気を引き起こす可能性が高まります。

冷え性(手足の血流が滞り、手足の体温が下がる)に悩む女性は多いのではないでしょうか。

これも家が寒いことが起因していることが多くあります。

 

冷え性により、内蔵など身体の中の温度調整がうまくいかず、寝付きが悪くなり、眠りが浅くなったりして疲れを蓄積してしまいます。

 

寒い家では皮膚や肺の温度も低下するため、皮膚や呼吸器系の免疫力が低下します。

この結果、皮膚アレルギーや気管支喘息などの呼吸器系疾患に悩まされる人は少なくありません。

 

また、寒さにより、こたつなど暖房器具の近くにずっといることで、運動不足の要因ともなり得ます。

高齢者にとってはこの運動不足が筋力の低下を起こし、様々な病気や怪我の原因になりえるのです。

 

 

住宅で最も多い健康被害「ヒートショック」

 

家の中の温度差によって引き起こされる「ヒートショック」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

家庭内で高齢者が死亡する原因の第1位が「ヒートショック」と言われています。

 

寒いお手洗いや脱衣所では身体が熱の放出を防ごうとして、熱が逃げる皮膚に近い血管を収縮させます。

これにより体温を維持しようとして、血管が収縮するため血圧が急激に高まり、脳卒中を起こしてしまうというのがヒートショックです。

 

また、冬の浴室で起こっている高齢者の溺死なども、ヒートショックが原因とされています。

寒い脱衣所から一転して熱い風呂に浸かると、今度は全身の血管が一気に開きます。

本来は血圧が下がりすぎないように心臓が調整するのですが、循環器系が弱っている高齢者はうまく調整できず、急激な血圧低下を引き起こします。

そして、めまいや立ち眩みが起き、ひどいと失神を起こします。

最悪の場合、そのまま浴槽で溺死という結果になってしまうのです。

 

浴室での溺死者は毎年4,000人以上いることが総務省の統計で分かっており、世界的にみて高齢者の溺死が多い国は他にはありません。

この悲しい現実を家は原因で起こってしまっているのです。

 

ヒートショック対策として、ヒーターを浴室などに導入される方も多いですが、家の断熱性・気密性を高めないと根本的なヒートショック対策にはなりません。

 

 

結露がもたらす健康被害

 

「結露」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

窓や窓サッシが曇ったり、水滴がついたりしているのが結露です。

そして、結露は家の中に温度差あると起こるため壁の中でも起こり得ます。

 

「結露=カビが生える」と考えて窓であれば拭けば良いと考えるかもしれませんが、壁の中ではそういうわけにはいきません。

目に見えない壁の中はカビでいっぱいかもしれません。

 

カビが発生するとカビを食べるダニが大量に発生してしまいます。

これらが原因となり、カビとダニによるアレルギー疾患が発症してしまうのです。

 

寒さにより免疫が低下し、室内温度差によりカビやダニの発生を促す。

家が原因となり、気管支喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などが起こっているのです。

 

 

住宅が原因で起こる健康被害をなくすために

 

日本の家づくりに関する法律を見ていくと、家の断熱性などに関わる基準は極めて低いのが現状です。

結果として自由なデザイン設計は可能になった反面、世界的に見て、圧倒的に寒い家が標準になってしまいました。

それゆえに、世界的に住宅に関連する健康問題が多い国になってしまったのです。

 

住宅と健康に関する研究の第一人者である近畿大学の岩前篤教授によると、家の断熱性を高めることにより、気管支喘息やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などの症状が改善するといった調査結果を発表しています。

 

寒さや温度差、使用する材料など健康が侵される多くの原因を解決した「健康が守られる家づくり」が当たり前になるようにしていかなけばならないのです。

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